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ーイベントを安全に楽しむためのエアー遊具トラブル対策ガイドー

エアー遊具で起こりやすいトラブルとは
エアー遊具は子どもたちに大人気ですが、運営の仕方を間違えるとトラブルが発生しやすいコンテンツでもあります。ありがちなケースとしては、強風で本体が揺れる、想定以上に行列が伸びてクレームにつながる、子ども同士の接触でケガが起きる、途中で送風機の電源が抜けてしぼんでしまう、といったものが挙げられます。どれも事前の準備と当日の運営ルールを整えておくことで、リスクをぐっと減らすことができます。
特にエアー遊具は「空気で形を保っている」という性質上、電源トラブルや風の影響を受けやすいのが特徴です。また、子どもが多数集まるため、スタッフの目が行き届きにくくなる時間帯も出てきます。どんな場面でトラブルが起きやすいのかを把握し、「起きる前に手を打つ」という考え方で準備しておくことが大切です。
事前準備で防げるトラブル対策
エアー遊具のトラブルの多くは、実は当日ではなく「準備段階」で対策できるものです。会場選びやレイアウト、必要な備品の確認、スタッフ同士の情報共有などをしっかり行っておくことで、当日の運営がぐっとスムーズになります。ここでは、特に重要なポイントを整理しておきましょう。
設置場所と固定方法のチェック
まずは設置場所の安全確認です。地面がデコボコしていたり傾斜が強かったりすると、遊具が安定せず転倒リスクが高まります。できるだけ平坦で、ペグや重りでしっかり固定できる場所を選びましょう。屋内の場合も、床が滑りやすくないか、周囲に柱や角ばった設備がないかをチェックしておくと安心です。
さらに、周囲のスペースも重要です。出入口の前に行列がたまることを想定して待機スペースを確保し、非常口や通路をふさがないレイアウトに調整します。送風機や電源コードに足を引っかけないよう、カバーや養生テープで保護するのもトラブル防止につながります。
天候・風対策と中止基準
屋外での運営では、天候と風の影響を無視できません。事前に天気予報を確認し、雨の可能性が高い場合はシートの準備や中止の判断基準を決めておきましょう。特に風はエアー遊具にとって大敵です。風速の目安を決め、「これ以上になったら一時中断・撤収する」というラインをスタッフ全員で共有しておくと判断に迷いません。
当日は、会場に到着したときだけでなく、運営中もこまめに風の強さをチェックすることが大切です。遊具本体が大きく揺れ始めた、ペグや重りがずれてきたと感じたら、早めに遊具内の子どもを外に出して安全確認を行いましょう。無理に続けず、一度止めて様子を見ることが結果的に大きなトラブルを防ぎます。
運営中に気をつけたい安全管理のポイント
準備をしっかり整えても、運営中の見守りが不十分だとトラブルは起こりやすくなります。特に、ピークタイムで利用者が増えてくると、スタッフもあわただしくなりがちです。入場制限やルール説明など、基本的なポイントをシンプルに決めておくことで、誰が見ても安全な運営がしやすくなります。
入場制限とスタッフ配置
エアー遊具の中に入れる人数は、「とにかく多く入れる」ではなく「安全に遊べる人数」を基準に決めることが大切です。目安としては、同時に走り回ってもぶつかりにくい程度の余裕があるかどうかを意識しましょう。対象年齢が混ざる場合は、小さな子どもと大きな子どもを時間帯で分けると、接触トラブルを減らせます。
スタッフの配置も重要です。出入口付近に必ず1人は立ち、入退場の管理と人数カウントを行います。できれば、遊具の中の様子を見渡せる位置にも1人つき、危なそうな遊び方をしている子どもがいたら声をかけられる体制が理想です。列の整理や保護者対応を担うスタッフも含めて、役割分担を明確にしておくと安心です。
ルール説明と声かけの工夫
トラブルを減らすには、子どもだけでなく保護者にも「ルールを理解してもらう」ことが欠かせません。並んでいる間に読める注意書きを掲示したり、案内用のボードを用意したりして、「走り回りすぎない」「押したり、飛びかかったりしない」「靴や危険なものは必ず外に置く」といった基本ルールをわかりやすく伝えましょう。
スタッフの口頭説明も、難しい言葉よりシンプルなフレーズで繰り返すのがおすすめです。また、遊んでいる最中も「ゆっくりね」「順番守ろうね」といった声かけを続けることで、雰囲気を壊さずに安全意識を保つことができます。ルールを守れない子どもがいた場合の対応も事前に決めておくと、スタッフが迷わず動けます。
トラブル発生時の対応フローを整える
どれだけ気をつけていても、軽いケガや気分不良などの小さなトラブルが発生することはあります。その際に慌てず対応できるよう、あらかじめフローを決めて共有しておくことが大切です。対応の流れが整理されていれば、スタッフが入れ替わっても一定の品質で対応できます。
ケガや体調不良が出たとき
まずは安全確保が最優先です。転倒や衝突があった場合は、周囲の子どもを一度外に出し、スタッフがケガの程度を確認します。大きなケガでなくても、保護者には必ず状況を説明し、必要に応じて救護スペースや休憩スペースに案内しましょう。救急セットを遊具の近くに常備しておくと、応急処置がスムーズです。
熱中症や気分不良にも注意が必要です。特に夏場や屋外イベントでは、遊具内の温度が上がりやすくなります。こまめな休憩や、水分補給を促すアナウンスも有効です。「顔色が悪そう」「ふらついている」など、少しでも異変を感じたら、早めに声をかけて外に出てもらうことが大きな事故の予防につながります。
設備トラブル・停電が起きたとき
送風機の電源が抜けてしまった、ブレーカーが落ちてしまったなど、設備トラブルが起きた場合は、まず遊具内の子どもを落ち着いて外に誘導します。その後、原因を確認し、安全が確認できるまで再開しないことが大切です。電源タップの位置や配線は、足を引っかけないよう事前に工夫しておくとトラブルを減らせます。
突然の停電が起きた場合も同様に、スタッフ同士で声をかけ合いながら、子どもを順番に外へ誘導します。その際、暗くて見えにくくなることもあるので、懐中電灯や簡易照明を用意しておくと安心です。復旧の見込みが立たない場合は、無理に続行せず終了の判断を行うことも、結果的には安全面でプラスになります。
保護者・主催者とのコミュニケーションで安心感アップ
トラブル対策をしっかり行っていても、それが周囲に伝わっていなければ不安に感じる方もいます。受付や案内スペースに簡単な注意事項や安全対策の内容を掲示しておくと、「ちゃんと対策しているんだな」と安心してもらいやすくなります。保護者から質問があったときも、スタッフが共通の説明ができるように、対応マニュアルを用意しておくと心強いです。
主催者や会場担当者に対しても、事前にトラブル時の連絡体制を確認しておきましょう。連絡先、判断に迷ったときの相談窓口、アナウンスの依頼方法などを共有しておくことで、万が一のときにもスムーズに連携できます。エアー遊具は、適切なトラブル対策を行うことで、楽しく安全なイベントの大きな目玉になります。準備と運営、コミュニケーションの3つを意識して、安心して楽しめる空間づくりを目指していきましょう。

