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2025.10.10

ーエアー遊具の保管方法|カビ・劣化・破損を防ぐ実践ガイドー

ーエアー遊具の保管方法|カビ・劣化・破損を防ぐ実践ガイドー

保管の基本原則と考え方

まず押さえたいのは「乾燥」「清潔」「圧迫しない」の3原則です。撤収直後は時間との勝負ですが、ここでの数十分が耐用年数を左右します。以下のポイントを基準に全工程を設計すると、作業がブレずに品質が安定します。

乾燥は『完全』を目標に

内部の湿気は外観よりも乾きにくく、カビ臭や接着部の剥離を招きます。送風で内側の水分を抜き、表面は拭き上げ後に陰干し。ファスナーや吸排気口を開けて風の通り道を作るのがコツです。

清潔は『洗って拭く』の二段構え

土や砂は表面コートを紙やすりのように削ります。水拭き→中性洗剤→水拭きの順で汚れと洗剤分を確実に除去し、金具やベルクロ周りも丁寧に。消毒は材質対応のアルコール濃度か四級アンモニウム塩系を薄めて使用します。

圧迫しない・角を立てない

強い圧縮は生地とコーティングの折り癖を固定し、ピンホールの原因になります。収納時は『空気を抜き切り、体積を整える』ことを優先し、過度な締め付けベルトは避けましょう。

清掃と乾燥の実務手順

現場では時間とスペースが限られます。そこで、撤収から車載までの標準オペレーションを用意しておくと、誰が担当しても品質が揃います。次の手順をチームで共有し、チェックリスト化しておきましょう。

撤収前の予備清掃

運用終了10分前から入口周りの砂・芝・紙片をブロワで飛ばし、汚れの持ち込みを減らします。シューズカバーの回収や、マットの泥落としも同時に行うと後工程が楽になります。

表面拭き上げとスポット洗浄

濡れタオルで広範囲を拭いた後、汚れの強い箇所は中性洗剤でスポット洗浄。落ちにくい黒ずみはメラミンスポンジを軽い力で。ロゴや印刷面は擦りすぎないよう注意。

内部の送風乾燥

ブロワを低圧で短時間運転し、内部に乾いた空気を循環させます。吸気側に簡易フィルター(不織布)を噛ませると埃の再付着を抑えられます。

金具・付属品の水分除去

ペグ、ロープ、スライダー、ファスナーは水分を残しやすい部位です。乾いた布で拭き、可動部にはシリコン系潤滑剤を薄く。油性の厚塗りは埃を呼ぶので避けます。

畳み方・巻き方のコツ

畳み方は保管体積と生地ストレスのバランスが要です。マニュアル通りの折り筋を守ると、次回の設営もスムーズになります。サイズが大きい場合は3人以上での作業を基本に、安全第一で進めます。

空気抜きのコツ

最も低い位置に排気口が来るように遊具の向きを調整し、最後は人の体重ではなくローラーで均一に圧をかけます。踏みつけは局所的な損傷の原因です。

定型折りの手順

1. 長辺方向に三つ折り→2. 反対側も三つ折りで帯状に→3. 排気口から外へ向かって巻き込む。ストラップは2本以上、等間隔で軽めに固定します。

角保護とラベル表示

巻き終わりの角にはコーナーパッドや古いタオルを当て、擦れを防止。外側には品名・サイズ・重量・設営方向(矢印)を大きく記載したラベルを貼ります。

保護・梱包資材の選び方

保管ダメージの多くは『移動中の擦れ』と『長期保管中の圧迫・湿気』で起きます。適切な資材選定はランニングコスト以上に延命効果が高く、結果的に修理費の削減につながります。

推奨資材リスト

・通気孔付き収納バッグ(PVCやターポリン製)
・乾燥剤(シリカゲル)と吸湿・防カビシート
・コーナーパッド/養生マット
・PPバンドよりも面で支えるラチェットベルト
・QR付き資産ラベル(点検履歴を紐付け)

避けたい資材

・厚手のブルーシートの直巻き(汗をかきやすい)
・新聞紙(インク移り)
・強粘着テープの直貼り(コート剥離)

長期保管に適した倉庫環境

倉庫は『温度・湿度・接地面』の3要素を管理します。特に梅雨〜夏の日本では湿気対策が肝心です。簡易でも効果の高い対策を積み上げるだけで、カビ発生率を大きく下げられます。

温湿度管理の目安

温度15〜25℃、相対湿度50〜60%を目標に。除湿機とサーキュレーターで空気を動かし、週1回は扉開放で換気します。データロガーで記録を残すと傾向が掴めます。

直置き禁止・棚化

パレットやスチール棚で床から100mm以上離し、結露と虫害を回避。重い順に下段へ、通路幅は台車が無理なく転回できる寸法を確保します。

防虫・防カビ

出入口周辺の隙間を目張りし、紫外線式捕虫器を設置。カビ汚染の疑いがある場合は、周辺ラック一帯を隔離して拭き上げ、再発防止の動線を明確にします。

シーズンオフ前のメンテナンス

長期保管に入る前の『乾燥の追い込み』と『点検記録』が次シーズンの立ち上がりを左右します。保険の観点でも、実施日と実施者・結果を残しておくとトラブル対応がスムーズです。

点検チェック項目

1. 縫製・ウェルダー部の割れ/剥離
2. ファスナー・ベルクロの噛み込み/摩耗
3. 透明窓・エンブレムの曇り/剥がれ
4. 接地面の擦過傷・穴
5. ブロワ・電源ケーブルの絶縁劣化

軽微な補修

ピンホールは材質適合のパッチと専用接着剤で。気温20℃前後、湿度60%以下の環境で24時間養生します。大きな裂けはメーカー修理へ。DIYで縫うとコートを傷める恐れがあります。

記録とラベリング

各ロットの点検結果をQR台帳に入力し、保管棚の前面にステータスカード(使用可/要点検/修理中)を掲示します。

付属品・消耗品の管理術

本体だけがきれいでも、付属品の欠品や劣化があれば運用は止まります。消耗品は小分けでストックし、現場ごとに『完結したセット』を作るとミスが減ります。

標準セットの例

・本体、ブロワ、電源ケーブル、延長コード
・ペグ、ロープ、ハンマー、養生マット
・予備パッチ、接着剤、はさみ、コロコロ
・ウエス、洗剤、消毒液、使い捨て手袋

在庫ローテーション

消耗品は先入れ先出し(FIFO)。接着剤やパッチは使用期限と開封日を記載し、期限切れはまとめて交換します。

よくある失敗と回避策

現場で実際に起こりやすい失敗を知っておくと、チームの注意力が上がります。教育の際は失敗事例と『なぜ起きたか』をセットで伝えると浸透が早まります。

半乾きで巻いてしまう

忙しいときほど起こります。巻く前に『手のひらで押して冷たくない・湿り気を感じない』を合格基準に。湿度が高い日は扇風機と送風時間を増やしましょう。

強く締め上げすぎる

輸送中のズレ防止でやりがちですが、コート割れの元。ベルトは『指1本が入る程度』の余裕を残します。

倉庫で直射日光が当たる

窓際は温度上昇とUV劣化を招きます。遮光カーテンかUVカットフィルムで養生し、保管場所を固定します。

まとめ:今日から実践できる型

エアー遊具の寿命は、現場の30分と倉庫の環境づくりで大きく伸ばせます。最後に、今日から使える『撤収〜保管チェックリスト』の簡易版を載せておきます。印刷して現場に掲示すると効果的です。

撤収〜保管チェックリスト(短縮版)

1. 予備清掃→表面拭き→スポット洗浄
2. 内部送風で完全乾燥(吸排気口開放)
3. 定型折り→角保護→軽めの固定
4. 収納バッグ+乾燥剤→棚へ直行(直置き禁止)
5. 点検記録→ラベル更新→在庫ローテーション