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ー子どもを守るためのエアー遊具の安全確認チェックポイントー

エアー遊具の安全確認がなぜ重要か
エアー遊具は見た目も楽しく、子どもたちが一気に集まる人気コンテンツです。しかし、その明るいイメージとは裏腹に、準備や運営の安全確認を怠ると、転倒や衝突、転落、熱中症などさまざまなリスクが潜んでいます。「なんとなく大丈夫そうだから」という感覚で運営してしまうと、トラブルが起きたときに対応しきれない可能性があります。
安全確認のポイントをあらかじめ整理し、チェックしながら準備・運営を進めることで、多くのリスクを事前に減らすことができます。特別な資格がなくても、見るべきポイントを押さえておけば、初めてエアー遊具を扱う主催者でも、安全性の高いイベント運営がしやすくなります。ここでは、設置前・運営中・トラブル時という流れに沿って、エアー遊具の安全確認の考え方をまとめていきます。
設置前に行うエアー遊具の安全確認
エアー遊具の安全確認は、子どもが入場する前からすでに始まっています。設置場所や周辺環境、本体の状態を確認することで、「危険になる芽」をあらかじめ摘んでおくイメージです。準備の段階で丁寧に安全確認を行っておくと、当日の運営が格段にラクになります。
設置場所・周辺環境のチェック
まず確認したいのが、設置場所そのものの安全性です。屋外の場合は、地面ができるだけ平坦で、石や段差などの凹凸が少ない場所を選びます。傾斜があると、遊具のバランスが崩れやすくなり、転倒リスクが高まります。必要に応じてマットを敷くなど、接地面を整える工夫も有効です。
周囲の環境も重要です。以下のような点をチェックしておきましょう。
・遊具のすぐそばに段差や階段がないか
・壁や柱、尖った構造物が近くにないか
・非常口や避難経路をふさいでいないか
・行列ができるスペースや保護者の待機場所が確保できるか
屋内では、天井の高さや梁、照明との距離も確認します。遊具の高さギリギリではなく、余裕を持って設置できるかどうかを事前にチェックしておくと安心です。
本体・付属品の事前点検
設置前には、エアー遊具本体や付属品の状態も必ず点検します。まずは目視で、破れ・ほつれ・穴・劣化している部分がないかをチェックします。縫い目や負荷がかかりやすい箇所は特に注意して確認しましょう。
送風機や電源コード、ペグや重りなどの付属品も重要です。コードの被膜が破れていないか、差し込みプラグがグラついていないかを確認し、安全に使用できる状態かどうかをあらかじめチェックします。屋外の場合、コードが人の動線を横切る場合はカバーや養生テープで保護し、つまずき事故を防ぐ工夫が必要です。
運営中に欠かせないエアー遊具の安全確認
設置が終わっても、安全確認はそこで終了ではありません。むしろ子どもが遊び始めてからが本番です。運営中にどのようなポイントを継続的にチェックするかが、安心して遊んでもらえるかどうかを大きく左右します。
入退場時のチェックと声かけ
エアー遊具の出入口は、もっとも混雑しやすく、トラブルが起きやすい場所です。ここには必ずスタッフを配置し、「入るとき」と「出るとき」をしっかり見守るようにします。入場前には、以下のような点を確認しておきましょう。
・靴を脱いでいるか
・ポケットに硬い物や尖った物を入れていないか
・飲み物やお菓子を持ち込んでいないか
また、混雑を防ぐために、一度に入る人数を決めておくことも大切です。並んでいる子どもや保護者には、「何人ずつ入るか」「何分交代か」といったルールをわかりやすく伝えます。退場時には、転びそうになっている子どもがいないか、泣いている子どもがいないかを確認しながら、ゆっくりと外に誘導することがポイントです。
遊具内の様子と混雑状況の確認
遊具の中では、スタッフの目が届きにくくなりがちです。そのため、出入口とは別に、遊具内の様子を観察できる位置にスタッフを配置しておくと安心です。走り回っている子どもが多すぎないか、危ない遊び方をしている子どもがいないかを随時確認し、必要に応じて声かけを行います。
混雑しすぎていると感じたら、一時的に入場人数を制限し、回転率を調整することも大切です。「少し中が混んできたので、次の回から人数を減らしますね」といった声かけを行えば、保護者にも状況が伝わりやすくなります。遊具の壁が大きく膨らんだり、逆に少ししぼんだりしていないかといった、空気の状態も合わせて確認しておきましょう。
天候・トラブル発生時の安全確認のポイント
屋外でエアー遊具を運営する場合、天候の変化は常に意識しておきたいポイントです。また、電源トラブルや子どもの体調不良など、予期せぬ事態が発生することもあります。そうした場面で落ち着いて対応できるよう、事前に確認しておくべき点を整理しておきましょう。
風・雨・気温など天候リスクの見極め
風が強くなってきたときは、遊具本体の揺れや、ペグ・重りの状態をこまめに確認します。少しでも不安を感じたら、一度利用を中断し、子どもを外へ誘導したうえで固定状況を見直すことが大切です。「大丈夫だろう」と判断するのではなく、「念のため止めて確認する」という考え方が安全につながります。
雨が降ってきた場合は、滑りやすくなる箇所や、電源周りの防水状態を確認します。濡れている状態で転倒するとケガのリスクが高まるため、雨脚が強くなってきたら早めに終了を検討することも必要です。気温が高い日は、遊具内が暑くなりやすいため、こまめな休憩や水分補給を促すアナウンスも安全確認の一部と考えておきましょう。
異変を感じたときの一時中断と再開判断
エアー遊具の空気が弱くなってきた、送風機から異音がしている、遊具の一部が大きくへこんでいるなど、少しでも異変を感じたら、すぐに一時中断することが重要です。その際は、あわてて子どもを一斉に出そうとするのではなく、スタッフが声をかけながら順番に退場させることで、二次的なトラブルを防ぎます。
子どもが全員外に出てから、原因の切り分けを行います。電源が抜けていないか、送風機のフィルターが詰まっていないか、コードが踏まれていないかなどを確認し、安全が確保できてから再開します。原因が特定できない場合や、不安が残る場合は、再開を見送る判断も必要です。「無理に続けない」という選択が、安全確認の観点からはもっとも大切な決断になることもあります。
スタッフ教育とチェックリストで安全確認を習慣化
エアー遊具の安全確認を徹底するためには、担当者だけがやり方を知っているのではなく、スタッフ全員が共通の基準を持っていることが重要です。そのために役立つのが、簡単な教育とチェックリストの活用です。複雑なマニュアルでなくても、見るべきポイントが一覧になっているだけで、現場での抜け漏れを減らすことができます。
スタッフ間で共有したい基本ルール
スタッフ教育では、細かい専門知識よりも「現場で何を優先するか」を共有することが大切です。例えば、次のような考え方を全員で押さえておくと、判断が揃いやすくなります。
・迷ったら一度止めて安全を優先する
・子どもの様子と遊具の状態を同時に見る
・トラブルが起きたときは、一人で抱え込まず複数人で対応する
こうした共通認識があるだけで、現場での安全確認の質は大きく変わります。短時間の事前ミーティングでも良いので、イベント開始前にスタッフ同士でルールを再確認しておくと安心です。
チェックリストを使った安全確認の仕組みづくり
毎回同じレベルで安全確認を行うためには、チェックリストを用意しておくことが効果的です。設置前・運営中・終了前といったタイミングごとに、確認項目を分けておくと使いやすくなります。
・設置前:地面・周囲環境・本体の破損・送風機や電源の状態
・運営中:人数制限・ルール説明・遊具内の様子・天候の変化
・終了前:電源オフ手順・完全な空気抜き・破損箇所の有無の確認
チェックリストにチェックを入れながら進めることで、「確認したつもり」を防ぎやすくなります。エアー遊具の安全確認を特別な作業にするのではなく、「毎回あたりまえに行う習慣」にしていくことが、事故を防ぎ、安心して楽しめる場づくりにつながります。

